
背景がないと伝わらない!商品の価値を高める「世界観」の力
クライアントさんから「商品写真をお願いします!」と依頼をいただく際、時折、真っ白な背景に商品だけがぽつんと写っている写真データを受け取ることがあります。「背景は後で合成すればいいから」とお考えかもしれませんが、正直にお伝えします。これは、非常に難しい作業なんです。
なぜなら、その商品がどんな場所で、どんな人に、どんな風に使われるのかという世界観やストーリーが、まったく伝わってこないからです。写真は単なる「記録」ではありません。その商品が持つ価値や魅力を最大限に引き出し、見る人の心を動かすための「物語」なのです。
作り込まれた背景が語るもの

商品写真における背景は、単なる背景ではありません。それは、商品の魅力を引き立て、その存在意義を明確にするための重要な要素です。
温もりを伝える木製食器
ナチュラルな風合いが魅力の木製食器。ただ単体で撮影するのではなく、温かみのあるテーブルクロスや、優しい光が差し込む窓辺で、あえて生活感のあるシーンを切り取ることで、その食器が食卓にもたらす「ぬくもり」や「安らぎ」を伝えることができます。食卓の風景が見えることで、購入者はその食器を実際に使う自分の姿を想像しやすくなります。
洗練されたジュエリー
繊細な輝きを放つジュエリー。背景が白抜きでは、その輝きや美しさが十分に伝わりません。光を味方につけた上品な空間、例えば、アンティーク調のドレッサーの上や、滑らかなシルク生地の上に置くことで、ジュエリーが持つ「特別感」や「高級感」を強調できます。細部まで作り込まれた背景が、ジュエリーの価値をさらに高めます。
世界観の欠如がもたらすリスク

背景が白抜きで世界観が伝わらない写真には、いくつかのリスクが潜んでいます。
商品の魅力半減
どんなに素晴らしい商品でも、それを魅力的に見せる「舞台」がなければ、その魅力は半減してしまいます。購入者は商品の性能や素材だけでなく、「それを持つことで得られる体験」を求めています。世界観のない写真では、その体験を想像することが難しくなります。
ブランドイメージのブレ
ブランドが目指す世界観と、写真が持つイメージが一致しないと、消費者の中に混乱が生じます。例えば、オーガニック志向のブランドなのに無機質な写真ばかりでは、ブランドのメッセージが伝わりにくくなります。統一された世界観を持つ写真は、ブランドイメージを強化し、信頼性を高める効果があります。
デザイン作業の難航
白抜き写真に後から背景を合成することは可能ですが、それは簡単な作業ではありません。合成された背景が商品と馴染まず、不自然な印象を与えてしまうことが多々あります。また、商品の光の当たり方や影の出方と、合成する背景の光の方向が異なると、違和感のある仕上がりになってしまいます。最初から商品の魅力を最大限に引き出す背景で撮影することが、最終的なデザインの完成度を格段に高めるのです。
写真は「物語の第一歩」

私たちは、単に「商品を撮る」のではなく、その商品が持つ「物語」を写真で表現するお手伝いをしています。写真に写る背景や小道具、光の加減、色合い、それらすべてが、あなたの商品が持つ「世界」を語り、見る人の心に深く響きます。
しっかり作り込まれた背景と世界観のある写真は、それだけで完成度が9割違うと言っても過言ではありません。ぜひ、あなたの商品が持つ「物語」を、写真から一緒に語りませんか。私たちは、その物語を最高の一枚に込めるお手伝いをさせていただきます。
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