
アマゾンはフッ素樹脂,テフロン加工,PFASが使用された商品を販売禁止にするのか?深堀してみましょう
アマゾンは2020年12月に、Amazon Kitchenブランドのパッケージに17種類の化学物質を使用することを禁止しました。この17種類の中には、今回取り上げたいPFASも含まれています。

この発表の後、さらに708種類の化学物質に規制をかけていく発表も。
詳しくは:https://sustainability.aboutamazon.com/amazon_chemicals_policy_substances.pdf
しかし、他の販売者の商品を全面的に禁止というわけではありません。(私は少しでも健康リスクがある商品なら、すぐにでも全て禁止して欲しいですが、いろいろ大人の事情があるんですよね)
PFAS規制はアマゾンだけでなく世界的な大手小売店の取り組みの一環

この発表は、食品や製品の包装から有害物質を排除しようとする、大手小売店の取り組みの一環です。PFASは、環境に永続的に残る「永遠の化学物質」として知られており、人間の健康に悪影響を及ぼすことが懸念されています。
日本のアマゾンでもテフロン加工のものまだまだ売ってます。全くニュースを見ない人にとっては、PFAS,有機フッ素化合物と言われてもぴんとこないかもしれません。特に最近だと、PFASでの水質汚染でかなりあちこちのニュースやメディアで取り上げられているので、何回か聞いたことあると言う方も多いと思います。
普段というか毎日日常的に飲む飲料水が汚染されていると思うと、それだけで健康オタクな私はかなりストレス。
発がん性や発達障害への懸念がされており、危険視されていることは間違いないので、こういった製品を販売しているプラットフォームのアマゾンが規制をするのも無理はありません。
主要ポイント
- アマゾンは、キッチンブランド製品の包装からPFASを排除することで、食品の安全性と環境保護を強化することを目指しています。
- PFASは、食品、家庭用品、消火剤など、さまざまな製品に使用されています。
- PFASは、人体に蓄積すると、発達障害、低体重、癌など、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
- EPA(Economic Partnership Agreementの略称で、経済連携協定)は、PFASの安全基準を定めていますが、強制力はありません。
- アマゾンは、食品や製品の包装から有害物質を排除する、大手小売店の一つです。
- PFASの汚染は、軍事施設周辺の地下水など、さまざまな場所で見られます。
そもそもPFAS(ピーファス)とは?

有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS」と呼び、1万種類以上の物質があるとされています。
PFASの中でも、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、幅広い用途で使用されてきました。これらの物質は、難分解性、高蓄積性、長距離移動性という性質があるため、国内で規制やリスク管理に関する取り組みが進められています。
環境省:https://www.env.go.jp/water/pfas.html
PFASは、人間が作り出した「永遠の化学物質」と呼ばれる物質です。
アメリカでは一部使用が制限されていますが、自然に分解されないため、環境中に存在し続けています。これは、炭素原子とフッ素原子の結合が非常に強く、安定しているためです。
PFASは、以下のようなさまざまなものに含まれています。
- 食品: PFASで汚染された土壌や水で育った農産物、PFASを使用する機器で加工された食品、PFASを含む包装材料で包装された食品は、体内にPFASが取り込まれる原因となる可能性があります。
- 家庭用品: 汚れや水をはじく加工が施された繊維、テフロンなどの焦げ付き防止製品、研磨剤、ワックス、塗料、洗剤など。
- 消火剤: 消防士が使用する泡は、空港や軍事基地の消火訓練場における地下水の汚染の主要な原因となっています。
- 製造・工場での作業: クロムメッキ、電子機器メーカー、PFASを使用する石油回収など、PFASを扱う産業における仕事。
- 水源: 製造工場、埋め立て地、下水処理場、消火訓練施設からの排水によって、地元の地下水や飲料水源が汚染される可能性があります。
- 生物: PFASは、魚、陸生動物、そして人間にも蓄積される可能性があります。
アマゾンは、食品包装から化学物質を制限、削減、または排除する最初の企業ではありません。
過去2年間で、Chipotle、Panera Bread、Albertsons、Trader Joe’s、Whole Foodsなどの大手企業が、包装材料から危険な化学物質や材料を排除すると発表しました。
PFASはどのような危険性をもたらすのでしょうか?

体内に多量のPFASが蓄積された人は、以下のようなリスクにさらされる可能性があります。
- 妊娠中または授乳中の赤ちゃんにおける発達遅延
- 低体重出生
- 骨格の異常
- がん(精巣がん、腎臓がんなど)
- 肝臓の損傷
- 免疫不全
- 甲状腺への影響
こういったことが危険視されています。便利なものには必ず何か裏がありますよね。
個人的には、大昔から使われているロングセラー商品を使い、「目新しい・よくわからない・なんだか非常に便利なものには、とりあえず飛びつかない。」のが結局一番いいのでは?と思っています。
PFASの許容レベルは?
一般的に、地下水中のPFAS汚染には許容レベルはありません。しかし、PFASはすでに存在しているため、EPAは許容レベルに関するガイダンスを発行しています。
2009年、EPAはPFASの毒性値に関する暫定的なガイダンス、健康勧告、土壌スクリーニングを発行しました。しかし、2016年には、環境保護庁はPFOSまたはPFOAの許容レベルに関する新しい、より低いガイドラインを定めました。この新しいガイドラインでは、PFOSとPFOAのレベルは70 ppt以下にする必要があります。
これらのガイドラインは法的拘束力はありませんが、国防総省は新しい基準への準拠に向けて取り組むと述べています。
Amazonは化学物質を規制していくことも言及


化学物質ポリシー
高品質への取り組みの一環として、当社は、人体や環境に影響を与える可能性のある、懸念される化学物質を製品から排除することに尽力しています。当社では、懸念される化学物質を以下のように定義しています。
- 発がん性物質、変異原性物質、生殖毒性物質またはその他の全身毒性物質として分類される基準を満たす化学物質
- または、残留性、生物蓄積性、毒性を持つ化学物質
当社は、最先端の科学と顧客からのフィードバックを基に、製品の種類、顧客の懸念、より安全な代替品の入手可能性を考慮して、どの懸念される化学物質に焦点を当てるかを優先付けています。
https://sustainability.aboutamazon.com/natural-resources
この発表は、アマゾンが製品の安全性と環境への影響に対する取り組みを強化していることを示しています。
アマゾンは、他の製品ラインからもPFASを排除する計画があるかどうかは明らかにしていませんが、今回の発表は、同社が化学物質の安全性に真剣に取り組んでいることを示唆しています。
アマゾンの決定は、他の企業にも同様の行動を促す可能性があります。PFASは、食品包装や調理器具、衣料品、化粧品など、幅広い製品に使用されています。アマゾンのような大企業がPFASの使用を禁止することで、他の企業も同様の行動を取るよう促される可能性があります。
PFASは、食品包装、調理器具、衣料品、化粧品、カーペット、家具、消防用フォームなど、幅広い製品に使用されています。PFASは、水や土壌に蓄積されやすく、環境や人間の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
まとめ 環境・健康・安全が問題視されているからこそ

最近、中国の大量生産・大量販売ブランド(例えばSHEINやTEMU)から発がん性物質が検出されたというニュースをよく目にします。
自分が販売している商品にも同様の物質が含まれているかもしれないと考えると、不安になりますよね。知らず知らずのうちに誰かの健康を害している可能性があると思うと、販売者としての責任も重大です。「知らなかった」では済まされない問題です。
まずは、原材料をしっかりと把握することが重要です。消費者も賢くなってきているので、自分が販売する商品に100%の自信を持ち、家族にも安心して使ってもらえるものを提供することが第一歩です。
最近、いいなと思ったパッケージをここに残しておきます。
私は普段シャンプーもリンスもハンドソープもボディーソープも使わず、石鹸1個で全部済ませる。よくわからないお肌に悪いものもたくさん入っているから、なるべく刺激のないものを使いたいと思って行き着いたのがシャボン玉石鹸
ずっと使い続けたいと思える無添加に信念のある会社だとわかる内容で共感 pic.twitter.com/dmXdRiwUWN— アイ | Amazon商品画像専門デザイナー (@AIndigoGraphic) September 13, 2024
こうした安心安全に配慮する取り組みを、世界最大のプラットフォームであるアマゾンが発表してくれると、購入する側にとっても少し安心感がありますよね。
要するにビジネス視点で考えるとアマゾンは、「うちで売ってる商品は安心だよ!だからアマゾンで買ってよ!」と言いたいわけですよね。お客様からの信頼を得るのが一番難しいのは、どこの世界も同じです。
大手販売所から「絶対に大丈夫」と思ってもらえるようなブランド作りを目指して、商品開発やページ作りを進めていきましょう!!
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